経営学部3年の会田郁也さん。明徳ミニバスから凌雲中学校、恵庭南と、バスケットボールに打ち込んできた彼が、さらなる高みを目指して新たな挑戦を成し遂げました。
2024年佐賀国体の北海道成年男子チーム選考の登竜門となる会長杯で、主力ガードとして優勝に貢献。しかし、札幌成年男子のメンバー選考から漏れるという苦い経験を味わいます。その失意の中、追い打ちをかけるように大怪我を負い、長期離脱を余儀なくされました。
しかし、会田さんはこの逆境を自己成長の機会へと転換。リハビリに励む傍ら、宅地建物取引士(宅建)の取得に挑戦します。この資格は毎年20万人以上が受験する国家資格でありながら、合格率はわずか17%。在学中の合格者は極めて少ない難関資格として知られています。
「怪我による離脱は、自分を見つめ直す貴重な時間となりました」と会田さん。日々のリハビリと勉強の中で、メンタル面でも大きく成長。その努力は実を結び、見事宅建試験に合格。さらには全日本大学選手権(インカレ)直前でのエントリーも果たすという快挙を成し遂げました。
宅建資格は、不動産業界に限らず、金融機関や一般企業でも高く評価される資格です。特に在学中の取得は、新卒採用において大きなアドバンテージとなります。実際、宅建資格保持者は未保持者と比べ、平均年収で100万円以上の差があるというデータもあります。
特に注目すべきは、会田さんの先を見据えた視野の広さです。「給料が安いと会社の文句を言うだけでは何も変わらない。自分の人生は自分で切り開くもの」という強い信念を持っています。生涯サラリーマン一筋がリスクとなり得る考え方もある不透明な時代において、自らの努力で生涯にわたるスキルを身につけ、収入を上げていく準備の姿勢は、まさに現代のビジネスパーソンに求められる資質といえるでしょう。
経営学部での学びも、単なる座学として捉えていません。経済、経営、マネジメント、会計、簿記、マーケティング、リーダーシップ、数理データサイエンス、倫理、社会学まで、すべてを実体的な経済活動の中で活かせるスキルとして昇華させようとしています。謙虚さと感謝の心を持ちながら、地域経済のリーダーを目指す。その高い志と実行力は、同じバスケットボール部員からも刺激を集めています。
北海道の地で培った不屈の精神と、経営学部での学びを活かした計画的な学習。その相乗効果が、困難を乗り越える原動力となりました。「逆境があったからこそ、より強く、より賢く成長できた」という会田さんの言葉には、若き挑戦者としての誇りと自信が垣間見えます。
困難からの成功体験は、スポーツに打ち込む学生たちに、新たな可能性を示しています。競技だけでなく、ただ試合に勝った負けたでなく、難関国家資格取得という形で自身の価値を高めていく。その姿勢こそが、真の文武両道といえるでしょう。会田さんの挑戦は、夢を追いかける高校生バスケットボール選手たちへのメッセージにもなっています。逆境は必ずしも不幸ではない。それは、より大きく羽ばたくための踏み台となるのです。資格という"武器"を手に入れることで、人生の選択肢はより豊かに、より確かなものとなっていくのです。
どん底から這い上がった文武両道男 会田 郁也選手のインカレ2024での健闘を祈る
コメント